ローカルパワーエンジン株式会社が発足して、今年で10年。あるきっかけから、新たなサービス「地元紹介丸投げパック」が生まれました。
このサービスは、不動産・住宅会社に代わって地元の魅力を紹介する記事を作成・発信するというもの。忙しい不動産業界をサポートしながら、地域の魅力を伝え、さらに地域で仕事をしたい女性たちに活躍の場を提供する、三方よしの仕組みです。
そんなサービスがどのようにして誕生し、どう広がっていったのか代表から想いと軌跡をたどります。
インタビュイー:ローカルパワーエンジン株式会社 代表取締役 曽根田太郎
取材・執筆協力:阿部
始まりは営業支援ツールの提供だった
――ローカルパワーエンジン株式会社の発足から10年。どのようにしてローカルパワーエンジンが発足したのですか?

前職の会社はWEBコンサルティングを提供していたのですが、社長がある特定のクライアント様に営業支援ツールを開発して、提供していました。
それを見た私が「いろいろな不動産会社様にとって必要だ!」と感じ社長に直談判したところ、「それなら子会社を立ち上げて、サービス提供してみては?」と驚くべき展開になったんです。
それが当社が始まったきっかけですね。
女性の「もったいない」をなくしたい!サービス転換のきっかけは身近な想いから
―営業支援ツールから地元紹介丸投げパックへ、サービスが転換したきっかけはなんですか?



会社の設立から6年ほどたったある時、当時の営業の女性社員が退職を申し出てきました。
よくよく話を聞いてみると、親の介護のために退職をしたいということ。
やっと知識や技術が身について、これからというタイミングだったので、断念してしまうのはもったいないなと感じていました。



また、同じ時期に、私の妹から「エクセルを教えてほしい」という相談がありました。
妹は介護の仕事をしていたのですが、肉体的にきつく、事務職に転職をしたいという理由からでした。
この2つの出来事で、女性の様々なライフイベントをきっかけに、収入が下がってしまうのはもったいないと感じるようになりました。
――そんな出来事が、どう地元紹介丸投げパックに繋がったのでしょうか?



前職で、WEB集客のコンサルティングを行っていたときに、ブログなどの情報発信を継続してくださいとずっと伝えていました。
しかし、すぐに効果を実感できるものではなく、目の前の仕事で忙しい不動産・住宅会社の方々はなかなか継続することができていない状況を目の当たりにしていました。
「地域で能力ややる気がある方が都合のよいタイミングでできて、収入を増やせる仕事は何か」
と
「不動産・住宅会社の集客支援のための情報発信はどうすればいいか?」
が化学反応を起こして、「地元紹介丸投げパック」が誕生しました。
詳しいいきさつは以前にもお伝えしているので、そちらもご覧ください。


「地元に貢献したい会社」がなかなか見つからない!?営業の壁と工夫とは
――地元紹介丸投げパックが始まり、順調に利用されたのでしょうか?



地元紹介丸投げパックの提供を試験的に既存クライアントに提案してみました。すると、立て続けに3件ほど受注し、「これはいけるぞ!」と勇んで販売体制を拡充しました。



既存クライアントへの紹介が一通り終わって、新規営業をスタートさせたのですが、予想外に受注がとれず営業活動は難航。
というのも、地域情報の提供は、直接・短期的な売上や契約につながることではないため、売上・利益を第一に考えている企業様ではご導入いただけなかったんですね。
そのため、少なからず「地元に貢献したい」と考えている会社を見つける必要がありました。
――そんな中で、どのように営業活動を行ったのですか?



当時は、テレアポや飛び込み営業、ファックスでの営業など、いろいろなことを行いました。当初はうまくいったのですが、次第に受注率が低下し、営業の社員に大きな負担を強いてしまいました。



そこで、現在は、導入見込みの高い不動産・住宅会社の経営者の方向けにお手紙を郵送しています。
経営者の方は、長期的な視点で判断されます。
地元紹介丸投げパックで自社の地域でのプレゼンスを高めていけると気づいて、興味を持ってご連絡をいただく企業様が増え、以前よりもご契約いただける確率がアップしました。
まだまだ試行錯誤は続きますが、商いは飽きないというように、改善を続けていきます。
次回は、これまでにローカルパワーエンジン株式会社が迎えた危機、今後の展望をお伝えします!